叩き上げの英語 200
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叩き上げの英語 200

 

現実に彼らのマグジェイで通訳をしていた私だ。よほどのミスをここで犯さない限りまさか英語力に関して不合格のレッテルを貼ることはあるまい。

また隣にいるマグジェイの日本人は、なんと私にこの募集のことを教えてくれた坪田氏ではないか。彼もまた面接委員の一人だったのである。

幸運が、このようにつづくものなのか。度重なる偶然はもはや偶然ではないように思えてくる。私が合格通知を手にしたのは、それから二週間後であった。

航空機塔乗員として国防のために一命を捧げんの心意気も高らかに海軍甲種飛行予科練習生を志願したが、その願いも結実せぬまま終戦を迎え、それよりちょうど十年後の今、再び制服に身を包むことになったのである。

しかし今度は国防という高邁な目的ではなかった。はずかしながらアメリカに行けるチャンスを求めてのことであり、ちょっぴり良心に恥じるものがあった。

認識番号AE32一1402(第四期公募空曹)=語学専門員

晴れの合絡通知を手にしてから二週間後の九月十四日に私は山口県防府市の航空自衛隊第二教育隊に入校した。第四期公募空曹課程学生としてである。

私の頂戴した認識番号はAE32一1402で、階級は、語学専門員というスペシャリストとして偶されたため、最初から三等空曹であった。
 
旧海軍の三等飛行兵曹にあたる。そして早くも六ヶ月後には二等空曹に昇進することになる。

この第四期公募空曹は総員二十五名で、一ヶ月の教養訓練の後、米軍との連絡、接渉を主任務として、各レーダー基地に一名づつ配置が決まり、全国に散っていった。