課題文27 彼の巧妙な論法には私は納得せざるを得なかった。
ホーム > 課題文27 彼の巧妙な論法には私は納得せざるを得なかった。

課題文27 彼の巧妙な論法には私は納得せざるを得なかった。

 

 

課題文27 彼の巧妙な論法には私は納得せざるを得なかった。

 

 

この文、主語は勿論「私」である。するとその結語の動詞は「納得する」であるが、しかし英語にはこのような動詞はない。あるのは「納得させる」である。他動詞の convince である。

 

 

従ってこれを受身形にして「納得させられた」とする以外にない。そのための過去分詞は convincedであるから、そこでひと先ず次の図式ができる。過去形に注意だ。

 

 

I was convinced <彼の巧妙な論法に>

 

 

上記に見る受身形であるが、さらにこれに加えて「せざるを得なかった」の意味を出さないとならない。これに対応する英文での表現方法は「何々することを抑える」がある。他動詞の helpを使って“help 動詞ing”という形、公式がある。

 

 

これで分かるように他動詞の helpにはご存知の「助ける」という意味以外に「抑える、抑制する」と言う意味もあるのである。そしてその目的語には常に“動詞ing”が続くのが決まりだ。

 

 

この公式を本文、上記に当てはめると「help」できなかったのは、つまり help の目的語は“was convinced”であるということが分かる。そこで次のようになる。

 

 

I couldn’t help <was convinced  A> <彼の巧妙な論法に B>

 

上記のAであるが、つまり前述したように他動詞の helpの目的語であるが、

その目的語になれるためにはAの受身形をなんとかしないとならない。そのままでは目的語にはなれない。

 

 

だからAを名詞化してやればよい。つまり 「convinced させられること」というようにしてやったらよい。そのためにはwasを動名詞にすればよい。そう、前述したように動詞ingである。

 

 

だからと言って was + ing → wasing など、とんでもない。ingは動詞の原型にしか付けられない。wasなど be動詞の原型はbeであるから beingとしないとならない。そこで次のようになる

 

I couldn’t help <being convinced  A> <彼の巧妙な論法に B>

 

 

ついでBであるが、これは「によって」 であるから, 手段を示す前置詞の byを思って“by his 巧妙な論法”ということになる。これはそのままの語順で

clever reasoningとしてやればよい。

 

 

英文 

I couldn’t help being convinced by his clever reasoning.

 

他動詞のhelpに続くその目的語が上記のように受身形の場合に役立つ方式である。心するように。

 

 

類例 私はその時、笑いを禁じえなかった。

 

 

→ 笑ことを help できなかった → I couldn’t help laughing then.

 

 

次回予告課題文28 私は公明正大、悪いことは何もしていない。

 

中野幾雄