叩き上げの英語 192
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叩き上げの英語 192

 

通信学校(Communications school)

この学校は最初は Signal school と顧問団は呼称していたが、後には Communications school と呼ぶようになった。

私が衛生学校からこの通信学校へ移ったのは、衛生学校に約半年勤務したあとだった。前任の小柴氏が病に克って復帰したのを機に、通訳が足りなかった通信学校に転属したのである。

この学校には、早川、坪田、惣道の各氏がいた。年は若いが錚々たる通訳で、毎日が忙しく、私の転属を歓迎してくれた。

教科内容も多岐に分かれていたが、大別して有線(wire communication)無線(radio communication)との二つがその根幹であった。

目に見えない遠く離れた人と電線なしで話しができる無線電話には私は日頃から特に興味があった。それらの翻訳は仕事というより、給料を頂戴しながらの勉強と考えた。

東海電波高校というのが高輪の泉岳寺に程近いところにあった。私はそこに籍を置き、暇を見つけては無線工学の勉強をした。

技術を身につけることは無論のことだが、また電子技術関係の通訳にもその内容に自信が持てることにもなるので私には一挙両得の勉学となった。

レッスンプランは医学用語を除けば、衛生学校当時とそのスタイルには大差なく、すでに経験している私にとってその翻訳は何の困難さも感じることはなかった。

「本教科は学生をして野外での無線通信の諸条件につき、これが把握を主目的とするも、天候による障害の実態、および地形による影響を必要に応じ体得せしめるものである」

学校で一つの技術を訓練し身につけさせるのだから、このくらいの固い文章は当り前であろう。また一読して英訳などとてもできそうに見えないかも知れぬが、順序よくきちんと系統立てて考えていけばそんなに困難なことではない。