叩き上げの英語 107
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叩き上げの英語 107

 

にやりと笑ったそのマネージャーは Oh, come on. You like the job, don’t you? と言う。

この「カモン」は「またまた、そんなことをおっしゃる」などという意味で「かくさなくてもいいよ」ということでもある、末尾の don’t you は付加疑問文であり、自分で勝手に断定したときの手法である。

私はチャンスと思った。かねてからGI同士の会話の中によく耳にするのに Whatever you say というのがあった。それが使われるときの状況は、自分の真意・主張などが相手に通じないときや、分ってもらえないときなどでよく両手を両側に拡げて仕方ないというあのジェスチャーをする。

残念ながら私はその文法的なうらずけは充分にはわかってはいなかったが、今はそれと同じ状況だと一瞬判断し、チャンスとばかり言った。

Well, whatever you say. 「何とでも言ってくれ」という意味である。両手も自然に拡げ、はたで見ていたら、日本人のくせにキザな奴と思ったにちがいない。

マネージャーとの会話がここで一瞬途切れた。それを待っていたかのように彼のとなりにいて、さいぜんから私たちの話を徴笑を浮かべて聞いていたその女性が、「今日は」と私に声をかけてきた。

「駅ではいろいろお世話になりました」と言われて、私はとくにこの人とは思い出せぬまま挨拶を返した。またマネージャーが口をはさんできた。You sent me a very good lady. She is the best one that I have ever had in my service club. Every GI loves her.