叩き上げの英語 106
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叩き上げの英語 106


この下級兵のサービスクラブに対して、下士官用のクラブはNCOクラブと呼ばれていた。NCOは noncommissioned officer のことである。また士官用としてはオフィサーズクラブ officers’ club があった。


What are you doing over here? Are you still checking those ladies? これが彼の挨拶であった。「この辺で何をやっているんだ、相かわらず女の子のチェックか」というわけである。


「ここ」という意味なら単に here で充分だが、「このあたり、この辺で」という少し広い地域を指すのならこの over here とする。また「ここにこい」というとき、Come over here. というのが彼らの通常の言い方でこの over は「ここまで」の距離感が出る効果がある。


そして彼らはよく進行形の文に still を好んでつける。これは副詞、つまり動詞を形容するもので「いまもまだ、いぜんとして」という意味である。  


また those ladies と言ったが、girls の「が」といいかけて、あわてて ladies と言いなおしたのは連れの女性の手前そう言ったのだろうと私は察することができた。  


この頃から話す英語の中に、そんなことまで気を配る余裕ができてきていた。私は、「ああそうだ」と一応は肯定し、さらに私はつづけた。つまり Yes, I am, but against my will. と言い、「私の意志に反して」とつけ足したのである。


この against my will は前の晩に辞書をひっくり返しているとき偶然に目に入ったフレーズで、さっそく使ってみたというわけである。