叩き上げの英語 085
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叩き上げの英語 085

 

「一歩手前文の原則」

この英文は too much の用法である。この too は副詞であるから、それが形容する対象は形容詞か又は副詞で、その前に置いて「なになに過ぎる」という意味を出す。しかし日本語では「過ぎる」は平気で動詞の後につける。いわく「飲み過ぎる」、「働き過ぎる」。

英語ではこのように動詞には絶対に too はつけられない。だからこれらを英語にしたければ、その too がつけられる相手としての形容詞か副詞かを見付け出さなければならない。なければ補う必要がある。これらの「過ぎる」はよく考えると「飲み過ぎる」も「働き過ぎる」も共に量の問題としてとらえれば much に気づく。

つぎは「過ぎる」の一歩手前の文は「なになにをたくさんする」ということであると考え、この much を使って作文する。すると you drink very much. と you work very much. とができる。

次はその very を too に置き代えればよい。つまり、「あなたは大変多く飲む」が「飲み過ぎる」に無理なく変わっていく。work の方も同様である。

これは私の考案したもので、作文したいことより常に一歩下がったところから組み立てていくところから、私はこれを「一歩手前文の原則」と呼んでいる。

感嘆文もこの一歩手前文の原則を応用すれば極めて容易に作文できる。たとえば「あなたは今夜は何と美しいのでしょう」は感嘆文である。この一歩手前は「あなたは大変に今夜は美しい」であり、この「大変に」から very がわかり、You are very beautiful tonight. とできる。

そしてこの very を感嘆詞の what か how に代えてやればよい。その what と how の区別は、very のあとに名詞がつづいてくれば what、なければ how と考えるのだ。