叩きあげの英語 047
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叩きあげの英語 047

 

 「パンクをした」という日本人ドライバーの報告は、とたんに私に二つの仕事を与えたのである。


ひとつは彼の行先にその旨連絡して、到着が遅れることに対する了承をとりつけること、それからもうひとつは当然ながら彼の帰着時間も遅れるので、それも当方の担当GIに伝えなければならないことである。


 電話にとりつく前にまず作文である。聞きずらい質問を相手にされないように、できるだけ完ぺきな、そつのない表現をしなければならない。


しかしそれよりなにより「パンクする」という肝心かなめの動詞がわからなかったのである。だがKPのとき、よくGIがそんな意味のことを言ってたが、しかしパンクというようなひびきの言葉ではなかった。私は必死に思い出そうとこころみた。


オーバーだが神に祈りたい気持ちだった。そしてついに思い出したのである。さっそく電話に飛びついた。そして言った。


Your jeep is supposed to get there at 14:30, but he has got a flat tire. So please wait a little longer for him. またここでもサポーズの応用である。


ロンガーは long の比較級であるが、これは形容詞としてではなく、wait を形容する、つまり動詞を形容するものだから副詞である。だからその意味は「より長い」ではなく、「より長く」である。


そしてこれに a little をつけて「ほんの少々」の味をつけた。副詞の long を形容するこの a little は、これもやはり副詞である。副詞は動詞を形容し、形容詞も形容し、さらに副詞自身も形容することは英和通信社の通信指導でその当時にしっかり身につけておいたものである。