課題文47 こんなことを言うのはピントはずれだが、私達はバスが完全に停車するまで席を立たなかった。
課題文47
こんなことを言うのはピントはずれだが、私達はバスが完全に停車するまで席を立たなかった。
この文、コンマを境とする2個文による構成である。これら両文は接続詞の「しかし」 の butでつなぐことにする。先ずはその第一文から行こう。問題はその主語の決定である。
何を主語とするのか、一考を要する。本文で言う「ピントはずれ」 は「この問題について密接な関係のない」ということである。つまり形容詞の「relevant でない」ということであるから、「こんなことを言うのは」を「これは」 に縮めたわけである。
そこで本文は「これは relevantでないかもしれないが」というように理解して英文にするとよい。形容詞 relevantを否定にする姿である。「かもしれない」は助動詞の mayを使ってその意味を出す。
This may not be relevant but <私達は席を立たなかった A><バスが完全に停車するまで B>
上記のAであるが、その主語を 「私たちは」とする。Iの複数形のWeである。するとその結語の部分は 「席を立たなかった」 である。ここで動詞の[立つ]に気をとられて stand なんかを思ってこれを使おうと考えるのであろうが、そうではなく、これは英語流では 「席を離れる、席を去る」と言い換えて leave を使うのがポイントだ。
そこで we never left our seatsというような否定となる。所有格の ourを補う必要がある。
leave の過去形は leftである点に注意。これは他動詞であるからゆめ leave from the seatなど、その「から」につられてfromを使わないように特に注意したい。ここで次のようになる。
This may not be relevant but we never left our seasts <バスが完全に停車するまで B>
上記のBであるが、その「まで」から接続詞の untilを使って until the bus stopped に副詞の 「完全に」 の completelyを添えて until the bus stopped completelyとしたくなる。
がこれは日本流であって、英語では 「バスが完全な(complete) 停止(stop) に至る(come to) まで」 と表現する。この「完全な停止 → a complete stop」に英語独特の味わいを見るのである。
英文
This may not be relevant but we never left our seats until the bus came to a complete stop.
次回予告課題文48
効果的な文章作法の秘訣は簡単なことである。すなわち読者に語りかけよ、ということである。 中野幾雄