課題文36  彼の車は時速90キロという高速でセンターラインを越えて対向車にぶつかった。居眠り運転だったらしい。
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課題文36  彼の車は時速90キロという高速でセンターラインを越えて対向車にぶつかった。居眠り運転だったらしい。

 

課題文36 

彼の車は時速90キロという高速でセンターラインを越えて対向車にぶつかった。居眠り運転だったらしい。


これは2個文による構成である。先ず第一文から行こう。主語は文字通りに「彼の車」としたくなるのであるが、この文は事故について述べている。車がかってに事故を起こすのではない。それは運転者の責任であることを考えれば、主語は「彼は」とするのが当然である。


するとその結語の動詞はどのようにしたらよいか、「ぶつかった」とするか?だがぶつかる前にどのような状態にあったか、言わないとならない。一足飛びにぶつかるわけがない。そこで一考を要する。結果、「運転していた」とするのがこの場合の適切な結語の動詞である。


自動詞drive であるが,ここは進行形で行きたいので was driving としたい。過去進行形である。そこで次の図式ができる

 

He was driving <センターラインを越えて A><時速90キロという高速で B> ~


上記図式でAであるが「を超えて」は前置詞の overを使って名詞の center lineをつなぐとよい。そこでAはover the center lineとなる。


続くBであるが「速度」は名詞で speedであるが、それをつなぐ「で」に相当する前置詞は常にatであるのはご存知の通りだ。ここでは 「高速 → high speed 」であるから at a high speedとなる。

 

そしてその数値は ofでつなぐから at a high speed of 90 km per hour である。この太字部は「毎時」の意味であり、それは「一時間につき」ということで perは前置詞で「につき」の意味である。ここまで次のようになる。


He was driving over the center line at a high speed of 90 km per hour and <対向車にぶつかった C>


上記のCであるが、これは was drivingにつづく二つ目の結語の動詞である。一般に「何々にぶつかる」決まり文句があって“run into 何々”とする。この場合の“何々”は「対向車」である。だがこのような名詞が1語であるわけもなく、よく考えて表現しないとならない。


これは「反対の方角から(from the opposite direction) 来つつある(coming)車(car)  → a car coming from the opposite direction」としてやればよい。

 

英文(第一文) 

He was driving over the center line at a high speed of 90 km per hour and ran into a car coming from the opposite direction.

 

では第二文「居眠り運転だったらしい」に行こう。主語は同じくheである。するとその結語の動詞は「何々だったらしい」である。「何々らしい」は自動詞の「何々のように見える」の seemを使う。そして「どのように見えるのか」を示すのは常に不定詞と決まっている。


そしてその後に来るのは動詞であるが、本文の場合は動詞ではなく、「居眠りして」の形容詞が来る場面である。ぶつかるくらいであるからasleepとしたい。そこで seem to be asleepとするのである。

 

しかしこのようにすると「熟睡しているように見える」となってしまう。英語ではこれは大きな誤りで、正しくは「熟睡していたように見える」としないとならない。つまり不定詞の後に来る動詞は、過去形にしないとならないということである。

 

そのような時はtoの後には完了形の姿を借りることに決まっている。だから to be asleep ならぬ to have been asleepとなるのである。

 

英文(第二文)

He seems to have been asleep then.

 

上記のthenは「そのときに」を示す副詞で、和文ではともかく英文では必要になるので補ったわけである。



次回予告課題文37 

終身雇用と年功序列の制度は、企業が安定的に成長し、しかも業務内容が大きく変わらないという時にはメリットが大きい。


中野幾雄