課題文30 彼は遊説の連続で声が枯れてしまった。
課題文30 彼は遊説の連続で声が枯れてしまった。
この文、主語はもちろん「彼は」である。Heである。だがもう一つ主語があるように見える。それは 「声が」 である。国語では 「は」 とか 「が」 がつく名詞、又は代名詞は主語を暗示する。だから「声」を主語としたい場合もある。ここではその 「声」 を主語としよう。ご存知の voiceである。
そして忘れてはならないのは、それは一体「誰の声」なのか、英語では明示しないとならないのである。そこで 「彼の」 のhisを補い入れて His voiceを主語とするのである。そこで次の図式ができる。
His voice <枯れてしまった A> <遊説の連続で B>
上記のAであるが、英語では hoarseがある。此れは形容詞であるからその前にはbeを置く必要がある。かつ、その時制は過去形であるから wasとなってwas hoarseとしてやればよいと思うだろうか、そうするとその意味は 「枯れた」 ではなく、「枯れていた」 と言うように、状態を言うことになる。本文では状態でなく、動作であるから became なり、getを使わないとならない。ここではgetとしよう。過去形である点に注意だ。
His voice got hoarse <遊説の連続で B>
上記のBであるが、これは理由を示していることに気づけば接続詞のbecauseを思うかもしれない。だがBは文ではなくて 句であるから、これにofを付加して because of としてやると前置詞となる。正しくは前置詞句となる。さらには前置詞のfromを使う手もある。これはまた理由を示す前置詞でもある。
またこの isをgetの過去形の gotとしても良い。ここでは後者の gotで行く。次のように。
His voice got hoarse from <遊説の連続で B>
上記のBは言い換えて 「連続の( continuous) 遊説」 とする。そして「遊説」とは「路上における(on the road) 政治活動(politicking)」 である。
英文
His voice got hoarse from continuous politicking on the road.
次回予告課題文31
今度集まる時には、私にも忘れずに声をおかけください。
中野幾雄