叩きあげの英語 004
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叩きあげの英語 004

 

英語に苦労されている方は少なくないであろう。それでもなお英語を学ぼうとされているあなた! わが『叩きあげの英語』を、あなたの座右において下れば幸いである。あなたよりももっと苦労した人間がそこにいる。

あなたに勇気と希望をほんの少しでも与えることができたら、英語でメシを食ってきた人間として少しは世の中へ御恩返しができるのでは・・・・そんな大仰なことも考えている私である。  

わが<体当り英語人生>公開ということで私の筆も少しは気負っていたかもしれない。あるいは感傷や自負が散見されるかもしれない。

そのへんのところは、土浦海軍航空隊・第16期飛行予科練上がりの”万年英語青年”の感傷とロマンとぐらいに容赦下されば幸いである。  
English must be mastered by you!

PART1

 

英語のことしか頭になかった! 他学科の不成績をカバーするためにも

 

ユー・アン・ニュー  

わずかと言ってしまえばそれまでであるが、五ヶ月間に渡った私の海軍生活は、大空へはばたく夢も実らぬまま、ピリオッドを打った。
 

多くの先輩がそうであったように、私もおそらくは生きて再び帰れるはずのなかったわが家に無事帰りつくことができた。
 

昭和二十年八月十五日はそんな終戦の日だった。それからひと月も経っていない九月はまだ残暑きびしく、隅田川と晴見通りにはさまれた築地の海軍経理学校はそのしょうしゃな姿を折からの朝日を一杯に受けて、雲ひとつない青空にくっきりと際立たせていた。