課題文46 これは私の実体験から学んだことであるが、単なる理屈だけで、問題が全て解決するわけではない。
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課題文46 これは私の実体験から学んだことであるが、単なる理屈だけで、問題が全て解決するわけではない。

 

課題文46 

これは私の実体験から学んだことであるが、単なる理屈だけで、問題が全て解決するわけではない。

 

この文、コンマを境とする2個文構成であるが、英文では終止符で別個の文として構成する。先ずはその第一文であるが、その「が」を無視する。「これは何々である」ということであるから、遠い昔の懐かしい This is a pen を思い出させる。“This is 何々”となる。この「何々」 は「学んだ こと」 であるから次の図式ができる。

 

This is <こと A> <私が学んだ B> <私の実体験から C>

 

その「こと」からすでに経験ずみの what、疑問詞ならぬ関係代名詞としてのwhat を想起するのである。そしてそれが関係代名詞として使える条件としてそれに続くBを見る。それは I  learned である。つまり主語と他動詞であるので、条件を満たしている。①の条件であることを思い出すのである。ここで次ができる。

 

This is what I have learned  <私の実体験から C>

 

上記ではI learnedではなく、その完了形 I have learned になっていることに気づかれよう。よく考えるとすでに「学んでしまっている」と言い換えられるから、英文では完了形にしないとならい。この辺、気をつけないと和文通りにするとすべて英文では過去形になってしまう。下線部の Iは補ったものである。

 

つづくCであるが、その 「から」 から前置詞は fromであることは容易に分かる。“from 私の(my)  実の、実際の(real)  体験、経験(experience) → from my real experience”

 

英文(第一文) 

This is what I have learned from my real experience.

 

では続いて第二文に行こう。これは一体、何を主語としたらよいか、一読して迷うのではないだろうか。いろいろ考えた末に 「全ての問題」 と気付いたらしめたものだ。All problemsである。

 

そしてこれを結語するのであるがその動詞は先ず 「解決される」 とする。受身形であることを確認する。他動詞の「解決する」は solveであり、その過去分詞はsolvedであるからここで受身形とともに次の図式ができる。

 

All problems are solved <単なる理屈だけで>

 

そして上記は、その結語は 「わけではない」 である。否定であることは分かるが、しかし 「ワケ」 が入っている以上、その裏には隠された意味合いがあるのは国語独特のものだ。それは 「解決されるものもある」 ということも暗示するのである。英語ではそのような場合は主語の前に not を置く。この場合は主語がallで形容されているので allの前に置くということになる。次のように。

 

Not all problems are solved <単なる理屈だけで>

 

上記の< >内は英語独特の言い回しで “by the light of pure reason” とする。このまま覚えるしかない。“by the light of 何々”は“何々によって」 ということであると知るのだ。

 

英文(第二文) 

Not all problems are solved by the light of pure reason

 

このような否定を「部分否定」という。類例 部分否定    全員が賢い。→ All are wise. 全員が賢いというわけではない。→ Not all people are wise.

 

次回予告課題文47 

こんなことを言うのはピントはずれだが、私達はバスが完全に停車するまで席を立たなかった。

中野幾雄