課題文23 彼は大学生とは思えないほど幼稚だ。
課題文23 彼は大学生とは思えないほど幼稚だ。
この文のつかみどころは、主語の「彼は」に対するその結語の動詞の部分である。「何々ほど 何々だ」に見る「ほど」と「何々だ」である。
そしてこの 「何々だ」 は 「ほど」 につながっている以上、常に形容詞である。そして 「ほど」を英文では soを思い、[彼は そう 幼稚 である] でスタートする。
そこで次のような図式ができる。
He is so <幼稚> that <彼は大学生とは思えない>
前述したように 「幼稚」は形容詞である。名詞と考えたら大間違いである。我が国語ではあたかも名詞のように感じられるが。
例えば 「彼は健康である」の 「健康」 を名詞と見たら大間違いである。
だから和文を見るとき、それを英文にしようとしまいと 「です」 の前の語は果たして名詞なのか、または形容詞なのか常に気をつければならない。これは英作文の重要なポイントである。
形容詞の 「幼稚な」 は immatureである。因みにその反対の 「早熟な、オマセナ」 は同じく形容詞で prematureである。同時に覚えておきたい。ここで次のようになる。
He is so immature that <彼は大学生とは思えない>
上記< >内は一体誰がそのように思えないのか不明である。つまり従来の考え方で行くと主語が不明なのである。この文は、しかし 「誰が」 などは問題でなく、「彼を大学生と信じるのは難しい」 と言い換えるのである。
すると仮主語の「それは難しいよ 何々することが」というスタイルを思いつくのである。
仮の主語の 「それは」 の it を補い入れて it is hardでスタートするとつぎのようになる。
He is so immature that <it is hard 信じること A>
<彼は大学生である B>
上記のAであるが、その 「こと」 から不定詞に気づく。つまり to believeとなるということである。すると believeは他動詞であるから、続いてその目的語は来ないとならない。その目的語がBである。
そしてその目的語がたまたまご覧のように一個の文となっている。一語ではない。そこでそれをつなぐための接続詞の thatが必要となるのはご存知通りである。ここで次ができる。
He is so immature that it is hard to believe that<彼は大学生である>
上記の< >内は言わずと知れた he is a college student である。
今後「何々は(名詞又は代名詞) 何々ほど 何々だ」 ときたら上記の姿、スタイルを思い起こしたらよい。公式である。所謂“so that構文”である。
英文
He is so immature that it is hard to believe that he is a college student.
上記下線部の thatは省略できる。thatが繰り返されて使われているので省略することが望ましい。
次回予告課題文24 最初から失敗を予期して事業をはじめる人など、いない。
中野幾雄