叩きあげの英語 015
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叩きあげの英語 015
2016年11月18日(金)11:55 AM
「通訳さん、掃除でほうきを使いたいんだけど、倉庫に鍵がかかっていて開かないんだよ。
すまんけんど開けるようにGIに言ってくんないか」。通訳はその腕に腕章(arm band)を巻いているのですぐわかる。
その通訳氏がどのようにそれを英語になおすのか、私は大変興味があった。①ほうきを掃除に使いたい。②かぎがかかっている。③開けて欲しい、と三つに分けたとき、③は Open this door. あたりだろうと見当をつけていた。
しかしくだんの通訳氏はたった一言 Please open this door. と係のGIに言っただけだった。「ほうき」も「そうじ」も、「かぎ」も「できない」もなにもあったものではない。
そのあまりにも簡潔な通訳ぶりに私はおどろくやら呆れるやら。
しかしその反面、そのGIのとった行動は確実に掃除のおじさんの期待どおりだったことをみとめないわけにはいかず、その掃除は完全に遂行されたのである。
余計なことは一切言わずに要点だけを短かく伝えるところに、私はプロの通訳の姿を見た思いがした。
今の私ならさしずめ、
He needs a broom to clean the area (where) he is supposed to, but the store house is locked. so, will you please open it for him?
( )内の関係副詞とそれにつづく下線部は彼の言葉を補ったもので、つまり「彼がそう(掃除)するように想像されて(なって)いる」を area につけ、より説明的にしている。