叩き上げの英語 204
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叩き上げの英語 204

 

英文どおり直訳だと「音は一定の速度で進む」となる所だ。動詞 travel の使い方もさることながら、私たちなら当然 speed を使うところに rate を使っている点も見逃せないのである。  

将来、音の速度うんぬんにぶつかったら、日本語の動詞「持つ、がある」にかかわりなく、travel を使うとよい。  

言葉の上で信頼できる米英人なら、彼のいいまわしを日本文に対照させ、その微妙な表現上の違いを学びとるように努力することが望ましいのである。  

またこの文には重要な点、つまり日本人が英語を学習するのに大切な点がもうひとつある。 それは「〜が〜するためには」といういいまわし、for the sound waves to go〜 である。  何の感興もなく、ただ単にメロディックに for〜 to〜 と覚えるのは、まったく実力にはならない。

わけもわからず、あるがまま繰り返して覚えろという英会話の先生は無責任過ぎる。それでは動物を調教しているのとまったく違いがないではないか。  

そんないいまわしから「ためには」をとってしまうと後の残りはひとつの完全な文章であると気づくはずだ。この場合は「音波が伝わって物にぶつかり、こだまとなって自分のもとに返ってくる」という文がそれである。  

ここで考えられることは、日本文ではこのような完成文に「ためには」をつけると、その文全体が目的の味のある句に変わってしまう事だ。

英語でもそれができる。どうしたらよいのかというと、その文の主語の前に for 、そしてその結語動詞の前に to(不定詞)をそれぞれつけてやるのである。

テックレップが口に出した for the sound waves to go to〜 and to return〜 はこのように「文章を目的化」したものとして理解すると確実に自分の表現力となって幅広い応用につながっていく。