叩き上げの英語 083
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叩き上げの英語 083

 

 

「車などで迎えに行く」はよくこの pick up が使われる。pick up は物ばかりではなく、人間にも使えることはRTOで経験して知っていたので自信をもって言うことができた。

するとこの文章全体の中には to が二つつながっていることに気づく。しかし少しも心配することはなく、最初の to はそのあと come here とつづくところだが、繰り返しのためカットした姿であり、あとの to は目的を示すものである。偶然に to がつづいたもので、これはまちがいではなく、また意図的なものでもない。

APはこの私の確認の問いかけに Yes, I am. と答え、私に乗るように言った。「乗る」という動詞は辞書によると ride だが、彼は get in と言った。モータープール時代に聞いたこの get in はそれ以来絶えて聞くことがなかったので、大変なつかしく私の耳にひびいた。

この get in の反対は get out だが、これは「降りる」という意味以外に「退け」という意味もある。私が乗るとAPは右足を伸ばし、アクセルの少し先にあるスターターボタンを踏んだ。くつのつまさきで踏むと、ちょうどそのかかとのところにアクセルの先端がくる。ガスを送りこむのと同時にスターターを廻すことができるように、両方同時に踏める設計となっているのだ。そんな説明を聞いた横浜モータープールの当時がなつかしく思い出された。

Are you an interpreter? と彼は聞いてきた。私は「そうだ」と答え、「私は翻訳者でもある」とも言った。I am an interpreter and also a translator.