叩きあげの英語 066
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叩きあげの英語 066

 

駅頭やホームではよくGIなどからものをたずねられる。アームバンドのRTOの文字が知らぬ土地に来ている異国の人にとっては助けの神とうつるらしい。

 

私は司令部からの帰途、横浜駅RTOに立ち寄ったが、そのあと東京駅にもどるべくホームで電車を待っていた。すると水兵服姿のGIが近づいて来た。胸のポケットから小さな櫛がのぞいていた。身だしなみの道具のひとつである。無雑作にそこに差してあったが、それが妙なアクセントとなり、彼の制服の胸を飾っていた。

 

私もかってそうであったから、ネービー(Navy)の軍人にはとくに親しみを覚えた。彼はたずねてきた。How do you go to Yokosuka? その主語を you として聞いてきたのである。日本語流に考えると、主語は困っているのは自分なのだから How do I または can I go to Yokosuka? とするべきであろう。

しかし、とくに英会話は相手を主語として言う場合が非常に多い。だれがしてもその方法は同じ、つまりそれをする人すなわち主語はだれであっても構わず、その方法だけを知りたいような場合はこのように How do you~ で質問してくる。


たとえば外人に英単語のつづりを聞くとき、自分がそのつづりを書くのだからIを主語として How can I spell~? とするのを実際は How do you spell~? とするのである。だれがつづろうとその人間、つまり主語には無関係につづりは一定だからである。