課題文39 従業員に対する終身雇用制度の最大のメリットは、突然の解雇の心配なしに勤務でき、長期の生活設計ができることであろう。
課題文39
従業員に対する終身雇用制度の最大のメリットは、突然の解雇の心配なしに勤務でき、長期の生活設計ができることであろう。
この文の主語は、それに付いているあらゆる形容の語句を取り払うと 「メリット merit」 という一語に尽きる。そしてこれに形容をつけるのであるが問題はどの形容をその名詞 meritの前に、あるいは後ろに置くか、である。 そこで考えて 「最大の」 は前に置けることに気づく。
greatの最上級で greatest である。残りの形容の語句はすべて 後ろ ということになる。次のように。
The greatest merit <終身雇用制度の A> is that <突然の解雇の心配なしに勤務できる B> and <長期の生活設計ができる C>
上記のAであるがその「の」から of を思うのであり、それがつなぐ名詞の 「終身(life time) 雇用(employment) 制度(system) → life time employment system」 としてやればよい。このとき「従業員に対する」は分かりきっていることであり、ダブルので無視する。
続く結語の部分は、文が二つつながっていることに気づく。そこでということであるとかんがえて「ということ」は接続詞の thatで表す。上記図式下線部の示すとおりである。そこで次のようになる。
The greatest merit of the life time employment system is that <突然の解雇の心配なしに勤務できる B> and <長期の生活設計ができる C>
上記に見るように meritは接続詞の thatでつながるB文とC文で表されている。だが、文である以上主語がなければならないが、それが見当たらないではないか。そこで補わないとならない。つまり 「働く人」 であるから workersとしよう。
するとその結語の部分は「勤務できる」となる。つまり「workすることができる」ということであるから can workとなる。 この動詞 work は自動詞であるから、これで完成文となり、その付属品として 「突然の解雇の心配なしに」 がある。「何々なくして」と言われれば前置詞の withoutである。
そこで 「without 心配(fear) of 突然の(dismissal) 解雇(dismissal → without fear of sudden dismissal 」となる。ここで次のようになる。
The greatest merit of the life time employment system is that workers can work without fear of sudden dismissal and <長期の生活設計ができる C>
上記でC文であるが、これの主語はB文のそれとおなじ workersであるから繰り返しを避ける。またその結語の 「できる」のcanも繰り返しであるから、これも省略して「make 長期の(long-term) 生活設計(plans for their lives)→ make long-term plans for their lives」
英文
The greatest merit of the life time employment is that workers can work without fear of sudden dismissal and make long-term plans for their lives.
dismissal 免職、解雇 彼は酒癖が悪くて免職になった。解雇された。He was dismissed from his job for drunkenness
酒癖が悪い He is nasty when he drinks.Nasty 形容詞 人に対して悪意のある、不愉快な。
次回予告課題文40 あれは彼の独りよがりの作品に過ぎない。 中野幾雄