叩きあげの英語 018
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叩きあげの英語 018

 

 文句を言っているそのGIは時計をちらっとみながら、It is a pretty long shit of one hour and a half.

 

といったかどうか定かではないにしても、shit はラトリン内のGIたちの稚拙な落書きで「ウンコ」のことであることは知っていた。

 

そしてロングシェットで「長いウンコ」とわかったが、その「長い」は「一時間半の長いトイレ」のことか、また物理的に「長いウンコ」のことか、多分両方引っかけたものと今にして思えば思える。

 

 shit は「シェット」というように聞こえる、最後の「ト」の音が飲み込まれて消えてしまうので、中国語の「謝」の音のシェシェにとてもよく似ていると思ったものである。

 

 ちなみに「小」の方は piss という。悪い言葉からおぼえるのは洋の東西を問わない。彼もまた文句を言いながらもユーモアを忘れない陽気なGIだったのである。

 

オッジューゲレット

 

 当時の物品の目新しいものはすべて米兵の持っているアメリカ製のものばかりであった。新しいシャツを着ている日本人がいるな、と思うとアメリカ人からもらったもの。

 

いい靴、と思うと米兵用のGIシューズ。ズボンや上着などもすべてGIの軍服だが、陸軍色のカ-キ色を染め替えて、それとわからぬようにしてあるものだった。