叩き上げの英語 150
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叩き上げの英語 150
2018年06月28日(木)5:00 AM
さらに何か言おうとしたPFCにMPはその口を封じるようにぴしゃりと言った。 Shut up you. You have got no trouble with these girls. You had better behave yourself.
「だまれ、トラブルなんかない。もう少し行動をつつしめ」とつよい調子である。 そのGIはそこでぶつぶつ言いながらもだまってしまった。
自分は一等兵、MPは軍曹である。日本の旧軍ほど米兵は階級にはこだわらないが、しかしやはり一般下級兵にとってMPと争うことは決して有利なことではないのである。
Is there any trouble with any GI, Mamasan? とMPは言うが、ママさんはトラブルということばだけはわかり「ノートラブル」と答えることもできる。この辺あたりでは通訳の出る幕ではない。
ここでも酒をすすめられるが、MPたちは決して飲もうとしない。 外に出ると、ロングスカートをはいた若い女性が酔ったいきおいでGIと何やら大声をあげながら通りを歩いている。
高峰秀子の歌った「銀座かんかん娘」の一節にあるように、赤いブラウスにサンダル姿は昭和二十三年のことだったが、この年の二十四年にはロングスカートへと移行した。
二年前の二十二年のショートスカートとはまったく対照的で、ショートを見なれた男性の日にはこのロングはなにかやぼったく、非活動的とうつった。
とにかく、この年は赤い布をふんだんに使うスタイルへと女性たちは流行を追うのに大わらわであった。