課題15 彼はずうずうしくも就職して一月も経たないのに、そのボスに給料を上げてくれ、と言った。
課題15 彼はずうずうしくも就職して一月も経たないのに、そのボスに給
料を上げてくれ、と言った。
この文、問題なのは「ずうずうしくも 何々する」と言うことであろう。
どのようにこれを言い換えたらよいだろうか。
英語流ではこれは 「何々をするのに(to do 何々) あつかましさ(guts) を持っている(have)」と表現する。この「何々をするのに」上記下線部にみるように不定詞を使う。
guts は「内臓」を意味するが、転じて「あつかましさ」を意味する。
我が国語では「あつかましい人」を指して「心臓が強い」という。この点、似ていると言えるのではないか。
ここで次の図式ができる。
He had the guts <そのボスに言った A> <給料をあげるように B>
<就職して一月も経たない のに C>
上記のAであるが、これは gut の内容を述べるものであり、前述したように不定詞を使う。そこでその toの後に来るべき動詞を求める。
これは続くBを考慮すれば「そのボスに頼んだ」と言うべきある。従ってその動詞は askとなる。そしてその目的語が「彼のboss」であるから Aは to ask his bossとなり、次の図式ができる。
He had the guts to ask his boss <給料をあげるように B>
<就職して一月も経たないのに C>
上記Bであるが、askの相手は his bossとしたが、今度は「何をするようにか」を述べないとならない。それがBである。その下線部の「ように」からまた不定詞を思うのであるが、ダブリを避けてここはforでつなぐ。
この forは前置詞であるからその後には名詞あるいは代名詞が来ないとならない。そこで言い換えて「給料の上昇」とすることになる。
つまりfor a pay raise である。この raiseは賃金、給料の意味をも含み持っているので、特に payを述べる必要はなく、for a raiseで充分事足りる。
ここで次ができる。
He had the guts to ask his boss for a raise <就職して一月も経たないのに C>
上記のCであるが、これは「彼の最初の1ヶ月の前に A」「仕事についてから B」と言い換える。
Aであるが、これは文字通りに before his first monthであり、Bは英語流でon the jobである。前置詞 onに注意。
英文 He had the guts to ask his boss for a raise before his first month on the job.
次回予告課題16 彼は私を今朝ずっとつけていたが、とうとう私は彼をまくのに成功した。
中野幾雄