叩きあげの英語 001
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叩きあげの英語 001

 本日より、「中野幾雄の英作文、毎日3分しゃべれば英会話」に週に1回のペースで中野先生の英語一代記 『叩きあげの英語』を連載していきます。

本書籍は昭和59年3月に出版されましたが現在は絶版になっています。先生の<体当たり英語人生>から学ぶことがたくさんあることと思います。どうぞお楽しみ下さい。

 

『叩きあげの英語』  中野幾雄

 

はじめに

「通訳になるにはどうしたらよいのでしょうか」 少年のころ、他の学業が不振で、辛うじて英語が好きなことで劣等感に悩むことから逃れていた私は、駐留軍で働いていた日本人通訳のお尻を追いかけて、やっと切り出していた。


その人は、言った。「勉強したまえ」その一言であった。彼はそう言って去っていった。


ようし、勉強するぞ。オレもいつか自由自在に英語を話せるようになるのだ。これが、私の<体当り英語人生>のスタートであった。


いろんな職場を転々としたが、いずれも英語を軸に選んだ職場であった。GI英語からスタートし、より上品な将校英語を志向し、やがては語学専門員

 

としての生き方を選び、いつのまにか”英語学生”の立場から”英語を教える立場”になってしまっているのが、今日の私である。


いってみれば、私の人生のタテ糸もヨコ糸も英語であるといえる。英語に織り成された人生であった。それも、いずれも机上の英語ではなく、実戦の英語であり、生身でぶつかって身につけた、いわば<叩きあげの英語>である。