課題6 激しい痛みで、彼は昨夜は一晩中眠れなかった。
課題6 激しい痛みで、彼は昨夜は一晩中眠れなかった。
この文、コンマまでは、その 「ので」 から理由を述べていることが分かる。
一般に理由を述べるには二つの方法がある。
一つは一個の文で表わすものであり、他の一つはそれを一つの句で表す
ものである。
上記の場合を見るとその理由は文ではなく、一つの句である。
つまり名詞の 「激しい痛み」 を前置詞の 「で」 でつないでいると見ること
ができる。
一般に理由を示す句をつなぐ前置詞(正しくは前置詞句)は because of
もあれば、また due to もある。
ここでは前者の because of で行こう。
そこで次の図式ができる。
Because of <激しい痛み A>, <彼は眠れなかった B><一晩中 C>
<昨夜は D>
上記図式において、Aは 「痛み」 の pain を形容する 「激しい」 は sharp
であるから a sharp pain としよう。
冠詞はaである点に注意だ。つまり「一つの激しい痛み」というわけである。ここまで次のようになる。
Because of a sharp pain, <彼は眠れなかった B><一晩中 C>
<昨夜は D>
上記のB, C, およびDは英文での語順を意識してのそれである。
Bが本文であり、残りのCとDはそれへの付属品であると見る。
その本文の主語は勿論 のこと 「彼は」 である。Heである。
するとその結語の動詞は 「眠れなかった」 となる。これはつまり
「眠ることができなかった」ということである。
そこで助動詞の can が必要になってくる。
そしてその時制は過去形であり、且つ否定だから could not sleep となる。
sleep はご存知のように 「眠る」 という意味での自動詞である。
自動詞が使われている以上、Bは完成文であり、したがってそれにつづく
CとDはそれへの付属品と考えるとよい。
Cは all nigh long である。これは副詞(正しくは副詞句)だから前置詞なしで
完成文につながる。
この long はなくともよい。
D も同様に前置詞不要の副詞句である。last night である。
英文1 Because of a sharp pain, he could not sleep all night
long last night.
上記の英文は前述したように、理由の部分を一個の句として処理している
が、今度はこれをそっくり「主語」としてのさばきを学ぶ。
つまり 「激しい痛み → a sharp pain」 を一転、主語に変えての英文構成である。
するとその結語の動詞はどのようになるだろうか。国語の力が求められる場面
である。それは「彼を眠らせなかった」 と言えるではないか。
英語流ではしかし、これは 「彼を 眠ることなしに おいた → 彼を 眠らずに おいた」 とする。
するとその動詞「おいた」は keepを使うことになる。つまり「彼を 眠らずに保った」という言い換えである。
そこで “keep + 名詞(又は代名詞) + 形容詞”の公式を知ることになる。
このとき代名詞としては him、そして形容詞の部分には awake が来ることになる。
あとは上記英文1と同じである。ただ前述したように longは省略してある。
英文2 A sharp pain kept him awake all night last night.