叩きあげの英語 072
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叩きあげの英語 072
2017年11月15日(水)6:40 PM
この do you think のそう入は私もその日より数日前に身につけたばかりであった。さっそく使ってみようと思ったのだが。
質問が how much でスタートすれば、それがお金のことでない限り、量をたずねているのである。つまり自分の話せる英語を量で表わさなければ、私の質問の答えにはならない。これは日本語でさえ、そう簡単に言えるものではない。彼は再び絶句した。
Please speak a little more slowly. といわれないよう私はゆっくりと話した。そしてもうひとつの常套手段である「もう一度言ってください」の Please speak it once more. を私は彼の口から期待したが、それはでなかった。
つまり彼は私の質問の意味はわかってはいるが、その返答、つまり量の表わし方になやんでいるというわけである。自らが改めて作文しなければ答えられないような質問こそ、その人の表現能力を高める最高の方法である。
ほかの人もおそらく一生けん命その人なりに作文をこころみているにちがいない。まわりを見るといつの間にか他のグループもこちらに集まってきている。いつになく鋭い、そしてまた何とも答えにくい質問が聞こえたからなのであろう。
私は日本語で言った。「日本語でよいから言ってみなさい」と。が、やはり日本語でも咄嗟(とっさ)には口から出ない。日本語でさえ言えぬことが英語で言えるはずがないのだ。