叩きあげの英語 070
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叩きあげの英語 070
2017年11月08日(水)1:33 PM
その学院の入口には木製の看板がかけてあった。東京英会話学校としてある。木造の建物である。彼女の話によると、ここはもともとお風呂屋さんだったらしい。
そういえば、階段をぎしぎしいわせながら二階の教室に上がってみると、いやに天井が高く、もうひとつ階がつくれそうに見えた。総勢十五人ぐらいがすでに集まっていた。男の方が多かった。
適当にグループをつくり、互いに干渉しあわないよう、距離を置いて会話をたのしんでいた。ときおり聞こえてくる英語は、なるほど彼女の言ったとおり、会話テキストのパターンのみで、自分の英語というものがない。
つまり、あっ、作文したな、と感じさせる個性的なものはなにひとつ聞こえてこないのである。彼女が私をその中の一グループに紹介してくれた。若い者同士、すぐに打ち解ける。日本人同士が英語で話しをする、
そんな気恥づかしさなどはみじんもない。みんな明るく、熱心だった。ときどき笑い声がどっとあがった。まず私は目の前にいた男に質問をこころみた。What has brought you here? what が主語であるという変わったスタイルで、かつその結語が完了形である。
何があなたをここに連れてきたか、ということだが、これは、なぜここに来たのか、という理由よりも、何のためにここに来たのか、という目的をたずねる意識がつよい文である。もし理由をたずねたいのなら Why did you come here? よりも Why are you here? の方が現実的である。