叩き上げの英語 110
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叩き上げの英語 110

 

ショート・ストーリーを作って練習  

私は新しい表現を知ると必ず口に出して、それがすらすら言えるようになるまで何回でも繰り返し練習した。

そしてその前後の文章も自分で創作して、ひとつのショート・ストーリーを作って練習するようにしていた。  

通訳という仕事は厳しいもので、その場が勝負である。そしてその場で通訳にまごつけば米軍は即座に首にする。理由は至って簡単、通訳できなければもはや彼は通訳ではないという論理である。

He is no longer an interpreter if he cannot perform his duty well. といわれて姿を消していった通訳は私の知る範囲でも数名にのぼる。  

だから常に背水の陣でのぞまねばならないのだ。くびになりたくなければ常に勉強するしかなかった。 その女性は別にマネージャーの恋人でもなんでもなく、ただかんたんな通訳がわりに連れてこられたという。

そんな彼女の説明に、私はなぜか内心ほっとしたものを感じた。彼女が彼とどういう関係にあろうとも、私の関知するところではないが、彼女が正に good lady であると私も思い始めていただけに、その辺の女性と同じようなパターンであって欲しくないという気持が私の心の中にあったことは事実である。  

岩手県の花巻から来たというその女性は藤森某子と改めて私に自己紹介した。チェックのときカードにタイプしたはずのその名前だが、まったく記憶がなかった。